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Everything comes to him who hustles while he waits .

恐竜が生きた時代の"におい”ってどんな臭いだったの??

私は結構、においに敏感です。

 

2019年6月12日に学術誌「Proceedings of the Royal Society B」に発表された論文によると、ティラノサウルスは恐竜の中でも、トップクラスに嗅覚がするどかったとの研究成果がだされました。

ティラノサウルスは、現在知られている限りで史上最大級の肉食恐竜の一つで、地上に存在した最大級の肉食獣でもあります。

恐竜が生きた時代の最末期を生物種として約300万年間生態系の頂点に君臨していました、白亜紀末の大量絶滅によって最期を迎えました。

 

 

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今回、発表された研究結果は、太古の昔に絶滅した種の能力や行動を解明することを目的に、現生の動物のDNAと体や感覚能力の相関関係を調べた最新の結果となっています。

この論文の筆頭著者はアイルランド国立大学ユニバーシティカレッジ・ダブリンの計算生物学者グラハムヒューズ氏、共同研究者ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンの古生物学者ジョン・フィナレッリ氏。

 

両氏は、この論文で恐竜の脳の形に着目しています。
保存状態の良い一部の頭蓋骨の内側を調べれば、脳の形はある程度は解明ができるが、この方法では細部まで明らかにできない。

そこで、両氏は生きたサンプルを活用することにしたのだ。つまり、今も生きる最後の恐竜「鳥」と比較したのだ。

 

現生の鳥のDNAを調べ、すべてのデータを先行する研究と照合して、現生動物の嗅覚受容体に関する遺伝子の新たなデータベースを作り上げた。そして得られた現生生物のモデルを恐竜にも当てはめたところ、

ティラノサウルスは嗅覚受容体に関係する遺伝子を620〜645個持っていたことがわかった。私は専門家ではないので、数だけではその凄さは分からないが、この数は現在のニワトリやイエネコよりわずかに少ない数になるそうだ。

 

ちなみに、ゾウ嗅覚受容体に関係する遺伝子を約2500個も持ち、その匂いだけで食物の量を数えられるという!!

正直そっちの方が驚きですけど。

 

 

では、ティラノサウルスの嗅覚が鋭いのは何のためだったのでしょうか。主に臭いは食べ物を見つけるためや、仲間の識別、縄張りの主張、異性の誘惑、捕食者の検知など、様々なことににおいを利用しているそうだ。

 

将来の研究では、ティラノサウルスがどんなにおいを嗅いでいたのかが、
正確に解き明かされるかもしれない。ヒューズ氏とフィナレッリ氏は、既存のデータからも、恐竜には血や一般的な植物など、特定のにおいを嗅ぎ分ける能力があったと考えているとのこと。

 

この研究結果を受けて、多くの人は「においがわかっても、そんな事なんにも役に立たないじゃん」と思われるでしょう。

そもそも研究とは、どうでもいいことの繰り返し。

しかも、この研究結果が進展して、太古の昔のにおいを現在に再現できたら、私たち人類は、未だに知らない世界を知ることができる。それだけでも、私はわくわくしてやまない。

 

ただ、いい匂いならいいのだけれど……